占星術を学ばれたい方へ



占星術の歴史は大変古く、その淵源は紀元前3800年頃にチグリス・ユーフラテス川の下流に栄えたシュメール文明にあると言われています。それ以降、人類の歴史の傍ら(かたわら)には必ず占星術の存在がありました。

 

18世紀から19世紀にかけて、「地動説」が人々の常識となるなかで、1781年に天王星が、さらには1846年には海王星が発見されました。古来からの占星術の理論は「天動説」に準拠しており、しかも土星より遠くの外惑星についての認識もありませんでした。従って、この天文学上の新しい発見は、それまでの占星術の理論に矛盾や破綻をもたらし、既に19世紀後半には忘れ去られたような存在となっていました。

 

そのような状況下で、19世紀末に、神智学協会の会員であったアラン レオは、神智学に基づいて占星術の理論や技法を新たに再構築し、再びこの世に甦(よみがえ)らせたのです。これが「モダーン占星術」であります。

 

一方、現代の欧米の研究者達の一部は、ラテン語やアラビア語で著された原書を研究することにより、埋もれていた理論や技法を発掘し、神智学の影響を受けていない伝統的な占星術を現代に復活させようとしています。この潮流は今後もますます大きくなるものと思われます。私も、この伝統的な占星術について大いに関心があります。

 

私自身は「モダーン占星術」に軸足を置いていますが、「伝統的な占星術」の理論や技法も取り入れております。何故なら、師匠の橋本航征先生がそうであられたからです。更には、中国の占星術「七政四餘」や「インド占星術」にも学ぶべきものが数多くあると思っています。

 

もともと、シュメールの宗教は、占星術と深く結びついたものでした。その流れから「ミトラ教」や「サビアン教」が誕生し、3世紀に預言者マニによって開かれた世界宗教「マニ教」にも引き継がれて行きました。やがてそれは秘教化し、オカルティズムへと発展し、その潮流は、19世紀に、ヘレナ・P・ブラバッキ―の「神智学」や、その傍系である、アリス・ベイリーの「トランス・ヒマラヤ秘教」に集大成されて行ったのです。

 

飽くまでも私見ですが、「モダーン占星術」は、ハイアラーキー(即ち聖白色同胞団)からのインスピレーションに基づいて、アラン レオが新たに構築した理論や技法であり、さらには、聖白色同胞団のDK大師が、アリス ベイリーに書かせた神秘学の大著の中で、随所に言及されている『来たるべき世の  新しい様相の占星学』が地上に顕現するまでの、過渡的な役割を果たすものではないかと思っております。

 

ところで、インド占星術(ジョーティッシュ)の第一人者 K・ナラヤン・ラオ師は、インド占星術はヴェーダの一部であり、そもそもマーケッタブルなコモディティ(商品)ではないと主張されています。インド占星術はオカルト・サイエンス(秘教・密教)であり、顕教とは違って、だれでもそれを等しく学んで理解し実践できるようになるものではないとしています。さらに、学ぶにふさわしい人が、その縁によって、自ら占星術にアクセスし、一定以上の努力と犠牲を払って習得し、実践すべきものであって、占星術のサービスを提供する側が、大衆にへりくだってまで売り込むべきものではないとしています。

 

これは、西洋占星術においても、また他の占術においても当てはまるものと思います。古来からわが国でも、占術を学ぶものは、天機を漏らす故に、その秘儀をむやみに口外すべからずとされて来ました。従って、私自身も占星術をお教えしておりますが、ご縁のある方に限定させていただいております。

 

「占星術のみで、宿命・運命予測・相性・方位・健康・卜占・択日など、全てが看れなければ、占星家としては一人前とは言えない」。以上の橋本航征先生の言葉に触発されて、私は占星術を学んでまいりました。

 

色々な分野のある占星術ですが、卜占であるホラリーは、人事百般を対象としていますので、とても汎用性の高い占術だと思います。私のホラリーは、米国のジョーン・マクエバーズ女史が、数多くの鑑定を通して編み出した、とてもシンプルな「モダーン ホラリー」に基盤を置いております。

 

占星術は、学んだだけでは占断できません。鑑定するうちには、数多くの失敗例もあることと思います。しかし、繰り返し繰り返し練習するうちに、必ず新しい地平が開けてまいります。

 

最後に、橋本師匠の言葉を記して終わりとさせていただきます。

 

★★★★★★★

『人によっては、術より学の方が上だと思っているが、私は学というものは、理論的にどうだああだと云ってる段階であり、その上に位置するのが経験や勘、そして閃きを入れて深く読んでゆく術であると思っている。したがって、占星学を磨き上げたものが占星術であると私は思っている。なにも、占いに箔をつけようと思って、科学にすり寄る必要はない。科学自体も、まだまだ発展途上で未熟なものだから。』

 

『占星学の理論に貴賤、上下関係は無い。全ての理論は平等である。ただ、それを読む人の取り組む姿勢や熟練度に上下が存在するだけである。』

 

『占星学は、決して理論だけを誇ったり、難しい専門用語だけを口走るためにあるのではない。それよりも、星の言葉を、誰にでも分かる平易な言葉に翻訳することに、情熱を傾けなければならない。運命は悪戯好き。運命は人の思惑を外す。運命は当てようとすれば当たらないもの。当たった、外れたという低次元の意識で取り組めば、なおさら運命は読めなくなる。ただひたすら結果を気にしないで、素直な気持ちで運命を読むことに情熱を傾けること。そうすれば、運命や宿命の近いところに辿り着けるであろう。』

 

★★★★★★★

いかがでしたでしょうか?

  

SHIMA占星学研究室では、占星術を学ばれたい方のために個人レッスンを実施しております。もし、ご興味を持たれましたらご連絡くださいませ。

 

詳しくは個人レッスンのページをご参照ください。

 

全くの初心者の方も歓迎です。ご一緒に、楽しく学んで行ければと思っております。 

 

SHIMA占星学研究室

島田 昌典