先のブログでは、一つの星座を3分割したデカネイトが、四柱推命の蔵干理論の原点となったことを語った。
西洋占星術では、このデカネイトは「エジプシャン・デカネイト」と、「オリエンタル・デカネイト」に分類される。
エジプシャン・デカネイトは、牡羊座の0°を起点に、10°毎に牡羊座から魚座までの12星座を割振る分割法である。4星座で一巡してしまうので、再び5番目の星座である獅子座の0°を起点に、10°毎に再び牡羊座から魚座までの12星座を割振ってゆき、以降それを繰り返す。
オリエンタル・デカネイトは、牡羊座の0°を起点に、牡羊座を10°毎に3分割し、最初に牡羊座を配置し、その次に、牡羊座と同じエレメント、即ち火象星座である獅子座、そして射手座を反時計回りの順に配置してゆく。
次の牡牛座でも、牡牛座の0°を起点に、牡牛座を10°毎に3分割し、最初に牡牛座を配置し、その次に、牡牛座と同じエレメント、即ち地象星座の乙女座、そして山羊座を反時計回りの順に配置してゆく。
そして、各星座毎に以上の作業を繰り返すのである。
エジプシャン・デカネイトは、一つの星座内に火地風水のエレメントの異なる3星座が併存することとなり、運命判断上で、奥に潜む意外性や個性的な特徴を掴みやすい。
一方、オリエンタル・デカネイトは、一つの星座内に同一エレメントの星座が併存することとなり、。個々人の奥に潜む意外性を読む上では相応しくない。尚、オリエンタル・デカネイトでは、一つの星座内に併存する三つの星座同士は、トライン(120°=三合)の座相関係にある。
エジプシャン・デカネイトは、分割調波のハーモニック・ナンバー(3)に該当している。3は木星(歳星)を表わす数字であり、人生に対する姿勢や、より深い自我を暗示している。
例えば、双子座の0°は、牡羊座の0°を起点とする絶対経度では60°であり、60°を3倍すると180°となり、絶対経度180°は天秤座に該当する。従って、双子座の最初のエジプシャン・デカネイトは天秤座となる。
インド占星術では、この分割法は重要な占星技法とされており、2分割から16分割まで細分化されている。
橋本航征先生は、どの星座の分割法が優れているかを実験した結果、一つの星座を12に区分するドデカテモリーであるとの結論に達したと言及されている。
このドデカテモリーは、イエス・キリストとほぼ同時代の、ローマの詩人で占星家のマルクス・マニリウスによって紹介された技法である。
その著作「アストロノミコン」の中で、一見単純だが、実はきわめて重要な内容を含んでおり、それをギリシャ語でドデカテモリーと呼ぶと言っている。
このドデカテモリーは、デカネイトと同じように、人生に対する基本姿勢、そしてより深い自我を暗示していると思われる。
橋本師によると、デカネイトより細分化されているので、デカネイトより深いものが読めるとの仮説を立て、分析を繰り返した結果、太陽のドデカテモリーの星座によって、自分の中にある本当の自分と言うべきものが読めるようになったと主張されている。
太陽のドデカテモリーは、適職、適性、或いは縁の深い人を暗示している場合が多い。
縁の深い人とは、自分の太陽のドデカテモリーの星座と、相手の運勢四大代表である、太陽、月、ASC、MCの何れかが位置している星座とが一致している人である。
月のドデカテモリーは、ライフスタイルやその人の持つ雰囲気と態度を。金星のドデカテモリーは、愛に対する本質的な姿勢。火星のドデカテモリーは、情熱の方向性や仕事のスタイルなどを暗示している。
通常の星座は表面的な資質を、ドデカテモリーの星座は裏に隠れた本質を表現する場合が多い。