20世紀の前半、米国のバージニアビーチに催眠透視による天才的な予言者が実在しました。その名はエドガーケイシー。
彼は、第二次世界大戦の推移を予言し、医者から見離された難病患者の超能力的医療診断を実施し、その治療方法を語り、アトランティスやムーの文明についての詳細を述べ、人間の生まれ変わりの事実を明らかにし、そして、転生による永続的な人生体験によって魂が成長することを提起したのです。
彼の予言や教示は「リーディング」と呼ばれています。
そのリーディングによれば、現在の占星術は、
① 転生とカルマ(業=ごう)を考慮してないこと。
② 自分が地球に出生する直前にいた他の惑星での生活と、それが自分の内分泌腺中枢(チャクラ)を通してどのように作用しているのかが考慮されてないこと。
以上の二点で不完全であると主張しております。
彼の残した膨大なリーディングのうち、個々人の人生に言及した「ライフ・リーディング」と呼ばれるものは2,500件に及びますが、この中には単に人々の地球上での転生やカルマについてだけではなく、その転生と転生の間に、どんな惑星に留まっていたか、そしてその惑星からどのような占星学的作用を受けて今生に生まれて来たのかが語られています。
彼によると、占星学の起源と目的は、人類の起源とその目的と不可分であります。宇宙を旅する人間の魂なくして占星学は存在しえず、そこには霊魂の受肉、転生、カルマという概念が密にからんでいるとのことです。
この物質界に下生する以前の霊魂は、より次元の高い霊的宇宙そのものを住処とする自由な存在でありました。しかし、この三次元の物質世界に下降したときに、死すべき肉体を帯び、生死の法則、転生とカルマの法則に取り込まれてしまいました。これを、エンタングルメント(もつれ込み)とケイシーは表現しています。
このいつまで続くとも知れぬカルマのくびきを断ち切り、再生の輪を上昇螺旋(らせん)に変えて、元の自由な霊魂の状態にまで至らせるための救済計画が地球に持ち込まれたのです。そして、地球上で転生する魂を教育するために、次元を異にした場所が、太陽系内の各惑星に設けられました。
そこでの教科は、人間が纏う(まとう)肉体の中枢部である七つの中心的内分泌腺(チャクラに対応している)に関係を持ちます。これらの内分泌腺は、霊体が物質界に表現するためのセンターであり、謂(い)わば内宇宙の惑星であるのです。
性腺は土星、ライデン腺は海王星、副腎は火星、胸腺は金星など、七つの腺が七つの惑星に共振しています。人間が生前どのセンターを有用に使ったか、或いは誤用したかによって、魂が受肉の中間期に往く惑星の学校は決まって来るようです。そして、自分のカルマを克服し、かつ消去するために、最適な時間と空間を選んで、また地球に出生してくるとのこと。
こうして、地上に生まれ変わって来た霊体の履歴書が出生天宮図(ネイタル・ホロスコープ)なのであります。
さらにリーディングには、「あなたは普遍意識、即ち神の一部である。あらゆるものが普遍的意識の内にある。恒星、惑星、月も同じである。あなたが天体を支配しているのか。それとも天体があなたを支配するのか。天体は個人としてのあなたのために創造されたものである。それは、創造主があなたのことを思ってくださっているからである。あなた方は神の身体にあって原子のごとき存在である。あなたは神の共同創造者であり、神の中であなたは考え、行動するのである」と。
これは、昭和の大聖ともいうべき五井昌久師の「神は、見るものと、見られるものとに分かれた」の言葉に通底するように思えてなりません。
マーガレット・ガモン著 林陽監修 岡本翔子訳
「魂の占星術」たま出版 より多くを引用いたしました。