サン サインチャートの重要性

橋本航征先生によれば、紀元前3000年ごろにインドで成立した占星学の経典『ブリハット パラーシャ ホラーシャ ー スートラ』には、ASC、太陽、月のある星座を第1宮としてチャートを作成し、3つの方法で鑑定するように述べられているそうです。

 

アラン レオは、太陽は霊的太陽のことを表し、即ちそれは人間の霊性、神の分霊を示唆していると言っています。第一宮は自分自身を表します。従って、太陽の在る星座を第一宮に持ってくることは、道理に適っていると思われます。

 

ASCチャートと較べて、便宜的な手法のように思われがちですが、決してそうではありません。実占の場でも、サン サインチャートでの鑑定はとても的中いたします。

 

出生時間が不明な場合は、一日の真ん中の午後12時でサンサインチャートを作成します。この場合のサンサインチャートは、American Ephemerisさえ手元に有れば、天体の位置を書き写すだけで直ぐ出来上がります。とても使い勝手の良い手法です。同天文暦は英国グリニッジの午前0時を基準としておりますので、日本の標準時に換算すると午前9時にあたり、午後12時とは僅か3時間しか差はありません。月の位置だけは約1°38′位のズレはありますが……

 

出生時間が不明な場合には、月には注意が必要です。何故なら、月は一日に平均で13°10′36″移動しますので、正午の月の位置と較べ、その人が実際に生まれた時間の月の位置が、前の星座に在るか、或いは次の星座に移行している場合も有り得るので、それを考慮に入れながら鑑定することが肝要です。