詩人で翻訳家であった故桑原啓善氏(詩人名 山波言太郎)は、慶應義塾大学大学院在学中に、心霊研究の欺瞞性を暴露してやろうとして、逆にその真実性に目覚め、日本心霊科学研究会の創設者である浅野和三郎の高弟、脇長生氏に師事いたしました。
その桑原氏の不思議な文書がございましたので、ご紹介したいと思います。
『私は今年(2008年)の7月、鎌倉のシルバー・ガイド協会の「古都鎌倉史跡めぐり」案内コースというのがありまして、その中の「鶴岡八幡宮で宮司さんのお話しを聞くコース」というのに興味があって参加しました。その日は宮司さんがご不在で、禰宜さんが代わってお話しをされました。禰宜さんは興味ある有益なお話しを沢山してくださいました。でも、肝心な事がハッキリしなかったのです。
八幡様の御祭神は、
応神天皇
比売神(ヒメガミ)
神功皇后
このお三方です。この中でどなたが本当の八幡神なのかハッキリしなかったのです。
「応神天皇か、比売神か」という感じで。特に比売神については曖昧で、「この方は応神天皇の妻神か、玉依姫か、それとも……」と、口を濁しておられた。
私は、「オヤオヤ、一番肝心なことを禰宜さんはご存知ないのか?」とビックリ。
でも、最後に一言「辛嶋さんが………」と言って話しをきられたのです。
そこで、私はハッと思い当たりました。「やはり、辛嶋さんが知っているのかもしれない」と。実は、私は15年前に、不思議な人物に出会ったのです。辛嶋さんという方で、コロンビア大学に留学して博士号をもつ立派なご婦人です。でもその頃、国際的な秘密団体に命を狙われていて、身の危険を感じておられました。私はヒョンな事で巡り会って、何度かお会いして、辛嶋さんから不思議な話しを色々聞かされました。
例えば、「辛嶋家は代々、宇佐八幡宮の禰宜を務めています」。
「辛嶋禰宜の仕事は、何かというと、皇室ですね。天皇家に関する秘密事項を、一子相伝で代々口伝にて天皇に伝えること、これが仕事です」。
「天皇がご即位になると、伊勢神宮と宇佐八幡宮においでになります。その時、辛嶋禰宜から天皇に、皇室の秘事に関することを口伝でお話しします」。
それで、私がたとえばどんな事ですかと聞いたら、
「宇佐八幡宮の本当の御祭神のご正体は、比売神(ヒメカミ)オオヒルメです。辛嶋家はその直系の子孫です」。
私が、「ああ、天照大神ですか」と言いました。天照大神のことを大日霊貴(オオヒルメムチ)と言いますからね。
すると「いいえ神様ではありません。人間です」。
私「エッ人間?」
「そうです人間です。オオヒルメは2000年前頃、中国の方から葦船に乗って来ました。日本に着いたとき、ああ、故郷に帰ったような気がすると言ったそうです」。
オオヒルメの母方の先祖は釈尊です。父方の先祖は3000年前の中国周王朝の西周王。
それからもう一つ、オオヒルメは日本の古神道を作りました。
古神道はオオヒルメが作ったのです。どうやって作ったかというと、仏教と、原始キリスト教(十二使徒の一人、聖トマスによって東方へ伝播。中央アジア出自の秦氏が請来)と、それと老子の道教、この三つを日本のアニミズムに組み込んで、いわゆる日本の神道を作ったのです』と言われたのです。
それで、私は「ああ、そうですか。そのほかにもっと教えて下さい」と言ったら、「イエイエ、これ以上話したら私殺されますから」と言って口をつぐまれました。
でも、最後にこう言われたのですよ。「今の天皇陛下、こういうこともご存知ないかも」と。「どうしてですか」と聞いたら、「実は、辛嶋家の先代の禰宜が急死したのです。ですから今の禰宜さんは知らないのではないかと、だから今の天皇には伝わっていないではないかと」。
じゃ、こういう事知っているのはどなたですか?と聞いたら、「私一人です」と。
じゃあ、もう一人、聞いて知っているのは私ということになります。これは大変だ!
辛嶋さんの言われたことは本当かしら?
今回私はその調査を思い立ったのです…………』
山波言太郎著「日本の言霊が地球を救う」でくのぼう出版刊より